ネット検索とかするとちょこちょこひっかかるのでちょっと調べてみました。

原作漫画、TVアニメ版、TVドラマ版に出てきて、ストーリーはだいたい同じなのですがカイロの描写はちょっとずつ違うようです。

原作だと最初に主人公たちが雑誌で見たときのものはZippoっぽくて、ただ、Zippoのロゴはついていません。あと、説明のところで火口（バーナー）をつけたまま注油しようとしていますがこれは後述するアニメ版にも引き継がれています。Zippoが国内版かUSA版（輸入代理店のマルカイコーポレーションでの表記は全世界共通モデル）かは分かりません。ただ、色はシルバーモデルです。（原作はモノクロですが、少なくともブラックモデルではありません）
その後実物が出てくるところでは、パッケージに24という文字があるので、マルカイの日本国内版で、パッケージ形状からすると2011年モデルのようです。原作では6巻収録の30話に登場し、原作単行本は2018年3月12日に発売されています。雑誌連載作なので、雑誌掲載は2017年頃と推定されます。
この漫画は基本的にメーカーロゴとかはそのままは使わないようなので、製品のZippoロゴもけずったのかもしれません。
（海外の通販サイトではフタがZippoのものそっくりでタンク部にZippoロゴのない、この漫画で出てきたものとそっくりのものを売っている業者もありますが、原作者が参考にしたのはたぶんそれではなくてZippoのものだと思います）

次にアニメ版ですが、雑誌でみたときのものの形状はやはりZippoからZippoロゴを抜いたものになっています。バーナーをつけたまま注油しようとしてしまう画は原作から踏襲しています。雑誌記事に「12」という文字があるので、USA版（全世界共通モデル）です。
次に現物が出てくるところには、原作同様、パッケージに「24」の文字があり、原作同様、マルカイの国内版2011年モデル（を元にしたもの）のようです。アニメ版では第2期4話に登場し、初放映は2021年1月28日だそうです。

そしてTVドラマ版です。最初に雑誌で見たときのものは、ハクキンカイロSTANDARDで、次に現物が出てくるところもハクキンカイロSTANDARDです。「ハクキンカイロ」の商標も、製品についているPEACOCKの商標も（もちろん商標になっているクジャクの模様も）全部現物が使われています。実写で製作する場合、いちいち型をとって商標を消したものを新たに作ったりするのは手間なので現物を使ったものとも思われます。
ドラマ第2期3話に登場し、初放映日は2021年4月16日だそうです。
この第2期3話の美術協力にはハクキンカイロ株式会社の文字があります。
原作、アニメ版、ドラマ版ともに、この回では主人公がバイト代をためてガス式ランタンを買うのですが、原作・アニメ版ではメーカー名ははっきり出ていません。ドラマ版ではコールマンのものになっていて、やはり美術協力にコールマンジャパンが入っています。

そして、ゆるキャン△コラボハンドウォーマーというものが実際に発売されていて、いろいろ検索すると販売元はスロウカーブ。最初のモデルの発売が2018年、のち2019年モデル、2020年モデル、2022年モデルも発売されたようです。
見たところ当サイトにも掲載している某K社後期モデルと形状は同じのようです。
スロウカーブはこのほか初音ミク×AOZORAGEAR ハンディカイロも販売しています。形状は上記のゆるキャン△コラボのものと同一です。
ハンディカイロ使用方法という公式動画もあるのですが、ハクキンカイロ社製じゃないのに堂々と「ハクキンカイロ」とか書いちゃっていいのかとか、交換用の火口は販売していない、ハクキンカイロのものが形状が合うとかはっきり書いちゃっててそれも大丈夫なんだろうかとかちょっと心配にはなります。このカイロの火口とハクキンカイロの火口って性能がだいぶ違うっぽいので発熱量とか温度とか持ち時間のバランスがとれない気もするのですが……
指定燃料はロンソンオイル、Zippoオイル、ハクキンカイロ指定ベンジン2種です。
それともう少し気になるのですが、このコラボカイロと同じ形のカイロを作っていたK社のホームページ。しばらく前からつながりません。K社でない別の会社が同じ形のものを製造しているのかもしれませんが…… Ｋ社製っぽい形状のカイロはこのスロウカーブのコラボモデル以外では売っている気配もないし、スロウカーブではK社と同じロンソンオイルを指定燃料にしているし、いろいろ謎が深まります。
TVドラマ版放映後の商品化だったら、あるいはハクキンカイロ株式会社とのコラボとかになったのかもしれません。
というか、他社製カイロとのコラボグッズが出ていたのに、ハクキンカイロが美術協力したのは何故なのかとか、TVドラマでこのコラボモデルと同じカイロを何故使えなかったのかとかたぶん各方面のオトナの事情がいろいろありまくるのでしょうが、謎が謎を呼ぶ謎のカイロでした。