昨年のシーズン中はなるべくハクキンカイロ使用者にとって有益な情報をと思ってそういう情報を出してきましたが、今年は趣向を変えて、あんまりというか全然役に立たないものしり知識(?)的なものを気が向いたときにぽつぽつと書いていこうかと思います。
でもって最初にかき出したしょっぱなのネタがなかなかまとまらない。ハクキンカイロ創業期のネタなのですが、なにしろいろんな意味でデリケートすぎる内容なので、当サイトでもある程度の情報は20年近く前からつかんでいたけれど、ネットで公開するのは踏みとどまっていた情報です。
ハクキンカイロ使用者のためのサイトを自称する当サイトにとって、創業期のいきさつがどうだったかが使用方法に特に影響を与えることもないので、積極的に内容を公開するのは控えてきましたが、
近年いろんな意味でインプレ稼ぎみたいのが出没してきて、そういう連中にこういう情報が行き渡ると、大騒ぎしてインプレだけ稼いで元々のハクキンカイロ利用者もサイト作者も誰も得しないみたいなことに使われそうなので、そうなる前にやはり分かっていることは書いておいたほうがいいと思いました。
で、その内容は何かというと、最初期の、創業者的場仁市氏が白金触媒を利用した放熱器の特許を取得うんぬんという部分です。実は、記録を調べていくとその放熱器の特許を最初にとった人物は的場仁市氏ではない別人なのです。
この人物と的場氏と、どういう関係があるのかというと、的場氏は「放熱器」の特許権を特許権者から買ったのです。何ではっきり言い切れるかというと、「買った」という戦前に書かれた記録が出てきたからです。
何で今のハクキンカイロの沿革にはそのへんのいきさつが書いてないのかというと、戦災で記録が全部焼け、戦後わりとすぐに創業者的場仁市氏が亡くなったりして昔のことが分からなくなっちゃっただけだと思います。戦災で焼けた企業ではわりとそういうのがよくあります。
取得じゃなくて購入じゃないか! インプレ稼ぎが大騒ぎしそうですが、辞典で調べると、購入して手に入れても取得というのはぎりぎり日本語としておかしくはなさそうです。違和感があるという意見には同意しますが。
で、この話をインプレ稼ぎが騒がないレベルで説明するために、あちこちいろいろ調べて、特許権者がどういう人物だったのかとかいろんなことがいくらか分かったのですが、どう書いてもご都合主義の内容にしかならなくて断念してました。
具体的に言うと、特許になった「放熱器」は、金属容器に入れた脱脂綿に揮発性の可燃性液体を吸わせて白金触媒を使って反応させて熱を作る、という基本的な部分はハクキンカイロと同じですが、それ以外に複雑な構造があって、かなり高価なパーツも使っています。つまり、大正時代の技術だと量産が困難だし相当高価になったはずです。それを簡易なハクキンカイロという形にしたのは、的場氏の発明と言ってもいいとサイト作者は思うのですが、一般の方にはあまりにもハクキンカイロびいきな内容に見えるというのもまた、理解しています。
なお、的場仁市氏本人は、ハクキンカイロの特許権を買ったと言ったことはあっても、自身が発明したと主張したことはないらしい、ということも、念のために付け加えておきます。
(追記)この書き方だと、的場仁市氏が商品化する前に「ハクキンカイロ」という名称の商品が存在したかのように見えるので訂正します。
的場仁市氏が買ったのは、「放熱器」の特許権で、その特許権を利用して「ハクキンカイロ」(当時の名称は「ハクキン懐爐」)という名称の商品を発売したのは的場仁市氏(の経営する個人商店矢満登商會)です。
“特許” への5件のフィードバック
特許から製品にする事もまたアイディアですから、その点が的場氏は上手かったのですかね。
今回の話題と関係ないのですか、謎のジャイアント用火口を入手しました。火口の横からパイプが生えていて、ガスでも流せそうな作りのものです。聖火輸送か、類似の用途で使用されたものではないかと予想しておりますがご存知でしょうか?謎編13になるかな?と思いましたのでご興味あればよろしくお願いします。
写真がないとわかりませんが多分聖火輸送用だと思います。サイト作者は実物は持ってませんが写真で見たことがあります。パイプの長さは火口の幅の4分の1くらい。発熱中にパイプ部に酸素ボンベを接続して酸素を送ると火口が燃え出すという仕組みです。なお、火口はその回でだめになります。たぶん何かの拍子で通常モデルのGIANTにまぎれて出荷されたのでしょう。
コメント返信ありがとうございます。
横から突き出たパイプが火口の広い方幅の4分の1ぐらいの長さで、それより細いパイプに3箇所程度穴が空いたものが触媒の長辺に渡って取り付けられています。
前面(パイプのない側)には2段で上:PEACOCK 下:MADE IN JAPAN の刻印があります。
ジャイアント本体に温度で色が変わるシールが貼ってある点、現行の本体と違います。入手時点ではアルミテープで穴が半分程度塞がれており、別珍袋やフリース袋は行方不明でした。
写真が必要でしたらスマホ撮影可能ですが、お送りしましょうか?
その本体は聖火輸送用モデルです。もうこのツリーで話すような話じゃなくなってきたようなので、能書きページにあるメアドに写真を送ってくだされば、あらためて記事として起こします。ハクキン純正品はクジャクの左右下部の羽根2本ずつがアルミテープでふさいであって、クジャク胴体穴なし5本羽根モデルっぽくなっています。なおハクキンはサイト作者と違い、アルミテープは内側から貼っています。幼稚園の運動会で聖火リレーをやりたいとかいうときもこのモデルは売ってくれるはずなので、そんな感じの用途用に出荷されたものだと思います。(もちろん、国体とかわりと大きな競技会でも使われているそうですが)
写真をメールで送らせていただきました。
蓋のアルミテープの件、今は剥がした跡しか残っていないです。自分で剥がしたと思いますが、かなり記憶が曖昧で中古で入手した時点で剥がしてあったかもしれません。
完品でなく、申し訳ないです。