謎番号001〜005


謎番号001 ヒナ人形ハクキン懐炉用ベンジン ヒナ化学工業所製

「ハクキン」と「ハクキン懐炉」はハクキンカイロの商標なんですが、このベンジンが正規なライセンス商品なのかどうか謎です。


謎番号002 東レの「リーベル」

新素材「リーベル」を使った純正カイロ袋なんですが、そもそもリーベルってどういう素材?っていうか、いつごろの素材?


謎番号003 ハクキンカイロ株式会社推奨 ハクキンカイロ用スキーベンヂン(画像のみ)

ちょっと「ハクキンカイロ株式会社推奨」って部分が見えません。すいません。
大阪の(有)関西油化工業所製造。バーコードも入ってるので結構最近のものかと。けどバーコードが日本版じゃないですね....
パッケージの住所(大阪市大正区鶴町)の番地は実在しましたが、この会社は少なくともその番地には存在しませんでした。かわりに出光のガソリンスタンドがありました。


謎番号004 ライター兼用 スポーツマン ポケットヒーター(通称、ライダー藤岡)(画像のみ)

ライダー藤岡さん提供(画像)
現物を手にするとハクキンカイロよりもペコペコしているそうです。火口の形も違い、明らかに他社製品です。ただし火口はハクキンカイロと互換性があり、ちょっとラジオペンチか何かでひねればハクキンカイロ用をこの製品につけることも、またその逆も可能だそうです。ただし、火口の性能はハクキンカイロのほうがよかったそうです。今風に言えば「互換機」ですかね。
フタの真ん中に大きな穴があいており、カイロとして使用中にここにタバコを入れるとライター代わりにもなる、というのがこの製品の売りでしたが、実際にやってらタバコはつかなかったそうです。ハクキンカイロの火口でやると逆に点火できたそうです。なお、ハクキンカイロは、点火芯付A火口以降の火口のみ、タバコの点火が可能であると表記しています。(3R火口でもつきます)実際問題として、点火中のカイロをわざわざ取り出してフタをあけてまでタバコに火をつける人はあまりいないように思いますが。

スポーツウォーマー(左)と現行ハクキンカイロ3R(右)の比較です。

フタをとったところ。真ん中の大きな穴が、タバコを挿入する部分です。

裏にはタバコ挿入口はありません。

火口です。ハクキンカイロのどの火口とも構造が違うことが分かります。

パッケージです。バイク用品店などを中心に流通していたようです。

表には、パテントナンバー(PAT.NO.455516)があります。この表記とMADE IN JAPANの文字は火口にもあったそうです。いつごろのものなのか、ちょっと分からない謎の製品です。


謎番号005 PAT.36766の表記のあるカイロ(画像のみ)

katsutane様提供

パテント番号から調べたところ、大正8年(ハクキンカイロ創業前)に東京都芝区の岡田春吉という人が出願、翌年特許となった白金触媒式カイロの特許でした。内容は、石綿に白金を吹きつけたものを触媒に用い、揮発油を燃料にした新式のカイロの特許です。要するにハクキンカイロと方式はほとんど同じでした。もう1つ、82?82というパテントナンバーの刻印もありますが、真ん中の文字がかすれており、調査の結果、実用新案公開番号公大13-000052 (82182)であることが分かりました。これは、金澤勝之助氏が大正12年に出願、翌年公告になった、揮発油を使う懐炉(ハクキンカイロと原理は同じ)の実用新案です。

写真右はハクキンカイロ3Rです。ハクキンカイロのノーマルモデルと違い、フタの真ん中の部分が違うのが分かります。A火口がついたそうです。
本体にはハクキンロゴやそれに類するマークはなく、2重の◇の下に|のマークがあって、TRADE MARKと書いてあります。ただ、この商標は現在はハクキンカイロは持ってません。ハクキンカイロは、「ンキクハ」の商標すらまだ更新し続けている会社なので(注:いつの間にか切れてました)、もしハクキンカイロ製なら、マークの商標が切れているのが謎です。マークの商標登録番号は分かりませんでした。この図柄は、矢と的で、矢満登商会を表すマークという説が濃厚です。このマークはハクキンカイロのファーストモデルである小判型にもついているそうで、ハクキンカイロ製モデルであることは間違いないそうです。

フタの穴は上に4つ、左右に2つずつ合計8個が脇と上部にあります。

A火口が適合します。

大きさは、縦98.4mm、横67.6mm、厚さ12.5mmで、高さが3Rより低く、若干薄いだけで、幅は3Rと0.1mm単位で一致したそうです。

製造期は分かりませんでしたが、大正後期ではないか(12年モデルではなく、13〜15年ごろ)という説が濃厚です。これは、この矢的印の使用時期が昭和10年(1935年)ごろまでと短かったことと、大正12年モデルのみ、その後のモデルと火口の互換性がないためです。また、昭和6年(1931年)までには、モデルは角形、角小形、小判型の3つになっているので、恐らくそれ以前のものと考えられます。

フタのくぼみを利用して本体を立てることができます。当時は着火に炭火を使ったので、このほうが使いやすかったようです。


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