灰式カイロ(楠灰カイロ)

この種のカイロは、江戸時代から多くのメーカーがつくっていましたが、既にすべての国内メーカーが撤退あるいは廃業した模様です。
このページでは、最後まで灰式カイロと燃料を製造販売していた、楠灰製造株式会社製の灰式カイロの最後のロット品を紹介します。
価格等も含め、このページの記述内容は2012年当時のものです。歴史的記述としてこれを残します。


現在(2012年現在)、日本で入手可能なのは、この楠灰製造のポケットハンドウォーマー1機種のみのようです。なお、2013年以降、この製品も市場で全く見かけなくなりました。記述中に現れる「現在」は、2012年現在ことです。


2つある箱の大きなほうが本体、小さなほうが燃料の灰の棒です。両方買わないと使えません。燃料は、8時間もつものが12本入っています。値札も資料と思いはがさずにそのまま撮影しました。(2004年7月購入)本体753円(税込)、燃料378円(税込)です。
登山用品専門店で扱っているところが多いようです。一般のホームセンターの登山用品売り場や、一般のスポーツ用品店にはまず売っていません。
パッケージ外側は全部英語で、何故か日本語表記はありません。箱の裏に「JAPAN」の表示があって、かろうじて日本のメーカーの製品だと分かるようになっています。(が、箱には社名表記はありません。説明書にはあります


中身です。右上は燃料ですが、製品にはついていません。なお、このほかに日本語説明書がついています。


カイロの中身です。不燃素材で灰をくるみ、そこで灰を燃焼させるしくみです。
登山や天文の世界では、チャコール式カイロとか、炭式カイロと呼ばれて、現在でも愛好者がいるようです。ただし、燃料は炭ではなくて灰なので、この言い方はあまり正しくないかもしれません。(炭だともっと早く燃え尽きてしまいます)


かつてこの方式のカイロをつくっていた著名なメーカーとしては、桐灰化学、マイコールがあります。どちらも現在は使い捨てカイロのメーカーになっています。このカイロをつくっている楠灰製造も、今は使い捨てカイロを作っていて、そちらのほうが主力商品になっているようです。


追記。
楠灰製造はかつてホームページを持っていましたが、そのアドレス(www.kusubai.co.jp)は、しばらく前からつながらなくなっています。
ただ、この灰式カイロは、アウトドアメーカーのハイマウントが販売していて、ハイマウントのサイトにある2010年秋冬カタログにも現行商品として掲載されています。


さらに追記。
ハイマウントのカタログからも消えたようです。2011年ごろまでは、登山用品店でごくまれに見かけることもありましたが、2013年1月現在、今まで扱っていた店でも全く見かけることができません。カイロ灰についても同様です。少なくとも国内生産品では、灰式カイロの新規購入は極めて困難になりつつあります。


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