読売新聞オンラインにハクキンカイロという記事が載ってます。
1月24日付けです。会員じゃなくても読めるようです。
この手の、今、ハクキンカイロが見直されています的記事は年に一二度どこかしらの新聞とかに載るのですが、この記事はちょっとサイト作者的にちょっと注目するところがいくつかあります。
まず、写真です。この手の記事だと今までは社長が一人だけってのが多かったのですが、今回は娘さんで取締役との2人になってます。
そういえば今の社長は社長になって40年とかなので、そろそろ世代交代も考える頃なのかなあとも思います。
そしてその写真に写っているカイロ類のほうがもっと注目なのですが、カイロ本体はGIANTとスタンダードとminiで、そのほか標準の袋とスノーホワイトとか、スタンダードとGIANTの箱とかが写ってて、まあ、現行商品の紹介だからだろうと、そこまでは分かるのですが、社長の前にある内装箱。これ、コンパクトのです。取締役の前にあるのは11枚羽根のイラスト付きのかなり年代物の海外向けの内装箱。どちらも、カイロが12個ずつ入ってて、問屋や小売店向けに出荷されていた箱です。
で、何でコンパクトの内装箱?。内装箱の写真を撮りたかったら、現行品のものを使えばいいし、それこそ、そんなものは本社にいくらでもあるはずです。(この写真は本社で撮られています)そもそも、今の社長が社長になってからの時代の製品じゃないし、取締役とかまだ生まれてない、60年以上も前の時代の製品です。しかも現行モデルではないのです。
さらにもっと謎なのはこの2つの箱にはさまれた、中央奥にでんと置いてある箱です。コンパクトの箱のように見えますが、どう見ても隣のGIANTの箱よりはるかに巨大です。全然コンパクトじゃない。内装箱にも見えません。それに、コンパクト用でこんな箱は実在しないはずです。コンパクトを売っていた時代、ハクキンカイロはあのおじさんマークはパッケージには使っていなかったので。
そして拡大して目をこらしてこの箱をよく見てみると、上半分は2006年から2013年まで使っていたハクキンカイロPEACOCKのパッケージの、そして下はコンパクトの当時のパッケージを組み合わせたものであることが分かります。なお、境目付近は合成とかもしています。少し斜めっている「コンパクト型」の文字は、字体も当時のままです。
何で、今は売ってもいないモデルの、存在しない箱をわざわざ作っているのか。
ひょっとしてコンパクトの再発売でも計画しているのではないかとも思ってしまうくらい、謎のコンパクト推しです。
サイト作者はコンパクトはそんなに好きではありません。ちょっと使ってみたことはありますが、あれの利点は袋に入れる手間がないのと、タバコの着火が楽だということです。一方、弱点はもっとたくさんあって、たとえば、外の布地が傷んでも素人だと取替えるのが難しい、とか、注油のたびにタンクを取り外す必要がある、とか、ヒンジや留め具が故障したときにやはり素人だとどうにもしようがない、とかです。あと、コンパクトって名前のわりにコンパクトじゃないってのもあります。コンパクトのページを見て頂くと分かりますが、実際の大きさはスタンダードモデルとたいして変わりません。むしろ、コンパクトのほうが分厚いぶん、体積は大きいかと思います。
コンパクトの記事にも書きましたが、このタイプは楠灰製造が先に出してハクキンは後追いのようです。そのため、ちょっとハクキンらしくないところがある機種です。
もし何か再販するつもりがあるんだったら、こはるとBM、BMはせめて火口だけでも再生産して欲しいと切に願うサイト作者でした。
さらにこの記事で気になるところは、触媒を作っているのが社長本人で、さらにその技術は一子相伝だというところ。って、今でも社長本人が生産の現場に立っていることもまず驚きですが、一人で年100万個分(換火口単体の分もあるんだからそのくらいは作っているでしょう)とかの触媒を作れるのかというところも不思議です。てかその前にせめて一子とはいわず数人くらいには教えておいて欲しいとも思います。
で、冷静に考えたら、ハクキンカイロの火口って、今の社長の代になってから今のようなガラスマット式になったんだから、今の社長は先代からは製造方法を引き継いでいないのでは????
あとは生産量。1977年がピークで200万個で、使い捨てが出ると一気に減って20分の1になった、ってことは年10万個!? てか、一つの会社が売り上げが突如20分の1とかになったらもう存続の危機なわけですが、よくまあ乗り切ったとも思います。
2006年に社名を戻したあたりから徐々に売り上げが伸び出したようなことが書いてありますが、ほかの記事だと2000年頃からとか書いてあって良く分かりません。ただ、2000年頃はハクキンにとっては真冬の年だったと思います。
(追記)2023年4月12日に公開されたハクキンカイロの100周年社史動画を見たところ、上記の当サイト作者の認識は誤りで、実際にはこの大きなコンパクトの箱の絵を元にハクキンカイロPEACOCKのパッケージが作成されていることが分かりましたので訂正します。