きとうPEACOCKコレクション(2)


きとうPEACOCKコレクションの始まり

きとう氏は世界的なコレクターです。海外市場や海外オークション等にも(もちろんネットで)出入りして、たくさんのジッポーライターをやりとりしていました。そういう海外オークションに出ていた輸出用PEACOCKを見つけた氏は、ちょっと気になって落札します。
氏のような世界的なコレクターがPEACOCKを一つ落札すると、それは全世界のジッポーコレクターの知るところになります。以前からつきあいのあるコレクターたちから、「いよう、ヒロシ。お前、PEACOCKも集めてるのか?俺のところにもこんなのがあるぞ」こんな調子で最初のコレクションは増えていった、と、氏は言っていました。「外国人はハクキンカイロを指してPEACOCK、PEACOCKって言うんだよ」と氏は言っていました。確かに海外ではそういう商標で売っているので間違いではないのですが、そんな簡単にPEACOCKという語だけで何を指しているか分かるくらい、コレクター間ではまあまあ知られたアイテムだったのでしょうか。
現在のハクキンカイロには全部PEACOCK刻印があるし、ちょっと前まではハクキンカイロPEACOCKなんて名前で売ってたこともあるので、国内でもPEACOCK商標は(ハクキンカイロ使用者には)知られていますが、当時は国内向けには一切使っていなかった(通販専用のGIANTくらい)ので、そこはちょっと新鮮でした。
日本ではクジャクはわりとわりと縁起のいい鳥ですが(だからこそハクキン創業者も蓋の模様に選んだのでしょうし)、アメリカとかでもそうなんですかね。と聞いたところ、向こうでも縁起のいい鳥らしいとおっしゃられていました。
当時はネットではそんなことまでは調べられない時代でした。

きとうコレクションより海外輸出用

きとうコレクションから、海外コレクションの一部です。
氏はパッケージとその他部品をこのように別のビニール袋に入れて保管しておくことがよくありました。そして、これが、コレクション紹介の最大の障壁ともなっているのです。
氏はほとんどの場合、外箱とパーツのほうを連結していませんでした。つまり、写真ではつなげて置いてある左右のビニール袋は、別々にバラバラに保管されていたのです。写真のセロハンテープは今回公開にあたりふたたびばらけないようサイト作者がつけたものです。
もちろん、たいていの場合、すぐ隣にあるビニール袋がペアになる袋です。ところが、です。輸送や移動をするときずれたのか、隣のビニール袋がペアの相手ではない例が多々あるのです。隣がペアの場合も油断ができません。氏は似たような品を固めて保存していました。すると、この箱のペアになるパーツの袋は右隣なのか?それとも左隣なのか?みたいなこともしょっちゅう起きます。
こうなると、パッケージのビニール袋(本体にシールで貼ってある場合もあります)にあるメモ書きと、パーツのビニール袋にあるメモ書きを照らし合わせ、ペア同士を見つけ合ってセロハンテープで貼る作業が必要になってきます。しかもこの作業はハクキンカイロにそれなりに知識がある人じゃないとたぶん無理です。
幸いなことに、どちらの袋のメモにも日付が入れてあるので、同じ日付の袋を探すとなんとかなることが多いです。が、3個セットで買ったみたいなときは、当然、同じ日付のものが複数出てくるので、やっぱり相手探しは必要になってきます。

言い訳ばかりになりましたがコレクションの紹介です。全部同じパッケージに見えますが、実は全部最下部にある販売代理店の名前が違います。つまり氏にとってはこの3種は全く別のコレクション品なのです。
右上のものは販売店名がシールになっていて、カナダのバンクーバー市の店舗(あるいは業者)であることが分かります。
メモ書きから氏がこの品を求めた先はバンクーバー市の方だったようです。

氏はそういう、物が自身のところにたどりつくまでのストーリーのようなものを重要視する方でもありました。サイト作者にも、いつどこで買ったのかは記録しておくべきだと力説されていました。ちょっとまねてはみたこともありましたが、さすがに氏のようにはいきませんでした。

パーツ部分のビニール袋にも注目です。きとう氏がこうやってパーツを別のビニール袋に入れるのは、そのパーツが特に注目すべき特徴を持っているときでした。たとえば、予備火口付きパッケージの場合はその予備火口が、マニュアルに何か特徴がある場合は、そのマニュアルがこういう別のビニール袋に入っていました。

きとうPEACOCKコレクションより (ハクキンカイロ製ではありません)

これは氏がハクキンカイロのコレクションのためにせっせと作っていた段ボールの枠です。上記の輸出用PEACOCKのコレクションを見ていただくと分かると思いますが、氏はハクキンカイロのパッケージと同じ大きさ同じ形同じ厚さになるように段ボール箱を切って枠を作り、その中に特に気になったパーツを箱から出して入れていました。
中身が抜かれたパッケージの箱も、型崩れを防ぐためにこの段ボールをわざわざ入れるという凝りようです。(1枚目写真右側のパッケージ箱をごらんください)
中央のように、ちょうど外周がハクキンカイロの箱と同じ長さになるものを見つけたとき嬉しくなってその段ボールでこのような枠を量産していたそうです。

来週はハクキンカイロ創業100周年にあたるので、そちらの関係の話題を4月10日に投稿します。きとうコレクションの話は次回は14日頃に投稿します。