二つの純正ベンジン


サイトのほうをごらんの方は気付いてらっしゃると思いますが、昨年末あたりからカイロ燃料について調べています。
以前もやったのですがさすがに15年も経つと状況も変わるかと思い、前回と同様の実験を行いました。
結果はもうサイトのほうに書いてあるのですが、ゲストブックではそれらの紹介も兼ねて、少しずつ短く紹介していきたいと思います。

まずは2種類ある指定ベンジンについてです。
ハクキンカイロ指定NTベンジン(左)と、ハクキンカイロ指定エビスベンジン(中央)。
この2つに性質の違いはあるのかないのか。
そして、何故だかエビスのほうは、「ハクキンカイロ指定」の文字がない、カイロ用エビスベンヂン(右)という製品があって、サイト作者もてっきり以前製造されたものの流通在庫かなと思っていたのですが、指定ベンジンになって5年も経つのにまだあちこちで見かけるのでどうも今も平行して作っているようです。
では、指定エビスベンジンと無指定エビスベンヂン(販売元はどちらも恵美須薬品化工)には違いはあるのか、ないのか。まずはそのへんの話からです。
※写真のベンジン容器は使いかけのものがあります。

結論から言いますと、指定NTベンジンと指定エビスベンジンの性質はかなりはっきり違います。
指定NTのほうが比重が高くて揮発しやすく、指定エビスのほうは比重が低くて揮発しにくいです。実はこれ、化石燃料の世界では相反する性質なのですがそれはこちらに置いておいて説明を続けますと、
指定NTのほうが火付きはよく、指定エビスのほうはにおいが少ない、と、推測されます。PEACOCK PLATINUM等、電池着火のものはNTのほうを使ったほうがいいかもしれませんが、マッチ、ライターではどちらも差は出ないと思います。
(カイロが冷え切っているときはNTのほうがつきがよいかもしれません)指定エビスのほうが比重が低いぶん、発熱量も低下するはずなのですが、指定エビスのほうが揮発しにくいことから、反応せずにベンジン蒸気となって出て行ってしまう分も指定エビスのほうが少なくなり、比重の差の分も相殺されてしまってあまり差は出ないかなと思いました。反応せずにベンジン蒸気になる分が少ないということは、指定エビスのほうがにおいも少なくなる計算です。
NTがより「電子着火向き」になっているのは、今でも「ナショナルカイロ用としても使えます」とパッケージに書いてあるとおり、元々電子着火用燃料だった名残でもあると思います。
なお、以前の純正ハクキンベンジンに近いのは意外にもNTベンジンのほうでした。また、今のハクキンカイロ指定NTベンジンと、かつての「ナショナルカイロ用NTベンジン」は、性質はかなり違っています。

次は指定エビスベンジンと無指定エビスベンヂンの違いについてやります。


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