ハクキンカイロは古くからあるものなので、古い製品とかを入手したり、また社外パーツ的なものを作って売っている人や業者とかが結構いますが、正直言って純正品指定品を使うのが一番で、いろんな意味で安物買いのなんとやらになりそうなものが多そうに見えます。もちろんサイト作者は全く使用していないので(旧製品は使ってますが)、写真とキャプションで推測しているだけですが。
こんなことを書くと業者に営業妨害だとか言われそうですが。
ただ、燃料と袋は、それぞれの燃料と袋の特性さえ分かっていれば、お好みのものを買ってもよいかと思います。サイト作者が今使っている燃料は、昨シーズンに実験で使って余った東工薬カイロ用ベンジンです。これが終わったらまた別の使い残りベンジンを使います。
袋もいろいろボロになったり、袋なしで売ってた中古品とかを使うときに必要なので、思い切って買ってみました。ネットで売ってるベルベットの10cm×12cmの袋です。昔の純正袋はベルベットとほぼ同じ素材の別珍製だったのでこれがいいかなと思ったのですが、ベルベットも別珍も、かつては(当然ながら)天然繊維製だったのですが、今は織り方の名前になっていて、化繊製のものもあるようで、そこは注意です。もちろん、ハクキンカイロの発熱時の温度、130℃に耐えられる素材だったら化繊でもかまわないのですが。今のところ特に問題は生じていません。もうしばらく使ってよさそうだったら写真付きで紹介します。
発熱量が多いのがいい、と、旧製品の11枚羽根のものをわざわざ探して入手している人もいるようなのですが、発熱量が多いということはその分、火口も痛みやすくなって寿命が短くなるはずなので、経済的かという点ではおすすめできません。これは現行商品のGIANTもそうで、サイト作者的にはGIANTとか11枚羽根とかをわざわざ使うくらいなら、STANDARDを2個使います。そのほうが、腹と腰の両方をあたためるとかいう使い方もできるし、そこまで寒くないときは1台だけ使うという使い方もできるし、そのときに残りの1台を人に貸すこともできます。GIANTにカップ4杯のベンジンを入れるのならば、注油の手間もほとんど変わりません。
火口も同様で、たとえば点火芯付A火口は(元々高温モデル用として設計された製品なので)確かに耐久性はピカイチですが、着火性には難があります。真冬の野外とか、全然点火できません。
それ以前の(「点火芯付」がつかない)A火口やそれ以前の火口になると、その時代はフタの羽根が多い(11枚羽根)、つまり、火口の能力が低いので、その分をフタの穴の数と大きさでカバーしているわけで、現行モデルにはそもそもつかない形になっているし、無理につけても火力が低くてあまり暖まらないし立ち消えもしやすくなると思うのでおすすめできません。
ハクキンカイロは、いっぱい売れたら原材料が足りなくなっちゃったから質を下げようとかいうことをやった時代は、ここ100年ほど一度もありません。サイト作者の知る限り。製品の質を下げた時代は一度だけあって、それは戦中から戦後くらい、具体的には1938年から1947年ごろまでで、それは文字通り日本中が原料難だった時代です。つまり、製品の質はここ100年、徐々に上がっていることはあっても下がっていることはないので、やはり製品もパーツも、近年製造されたものが一番いい、という、当たり前だけどあまり面白みのない結論に達してしまいます。
袋も、昔の別珍袋とかにノスタルジーを感じる方がいるみたいですが、フリース袋に比べると、長期間使用すると破れやすいです。特にサイト作者のようにひもをつかって首から吊す使い方をしていると、クチのあたりにテンションがかかりっぱなしになって切れてきます。もちろん、製造後何十年も経っているから使わなくてもボロくなっているからという可能性もあります。
それと、最近、カイロ用触媒とかも売ってる業者とかがいるみたいなのですが、使えるか使えないか分からないようなものを買うなら、純正品を買った方がいいんじゃないかとも思います。仮に安くていいものが手に入ったとしても、その製品が本当に安くていいものだと分かるのは数ヶ月後なわけで、その後も同じ製品の同じロット品が手に入るとは限らないからです。もちろん、どうせ安いんだからと、そういうものを試すのを趣味とするのでしたら止めませんが、サイト作者はそこまでやる気は今のところありません。
結論からいうと、本体は現行STANDARDか現行mini、燃料は入手性や特性や価格に合わせてそれぞれ個々人に合ったものを、袋はわざわざ純正品でなくても100円ショップとか手作り品とか軍手とか靴下とか何でも、火口は純正一択、カップはできれば純正だけどなくしたときとかはわざわざそれだけ買うのも手間なので、当サイトでも紹介しているような適当な化粧水入れとかででも。という、あまり選択制のない結論になってしまいました。
言い忘れたけど本体は冗談抜きでまともなものはこの2製品くらいで、他社製とかでハクキンカイロ製のものに比する程度の性能のものは、少なくとも現行商品で比較的入手しやすいものでは存在しません。ハクキンカイロのファンサイトの作者なんだから判官贔屓的なところもあるかもしれませんが、冗談抜きで他社製でもうちょっとまともなものは現行では見当たりません。もしあったら紹介していただけるとありがたいです。
“古い製品とかネットで売ってるのとか” への1件のコメント
ジャイアントは燃料消費も激しいので経済性の観点ではピカイチに悪いですね。キャンプのときとか、帰宅まで温かいので重宝しますが、万人向けではない。
社外火口が趣味の領域なのは同意です。
中の綿は入手性の良い脱脂綿でも問題ないと思います。なかなか交換しませんが