以前はさまざまな会社からカイロ用ベンジンが出ていましたが、今はほとんどなくなってしまい、指定NTベンジン、指定エビスベンジン、無指定エビスベンヂンを除くと、
東工薬特製カイロ用ベンジン、奥田薬品ベンジン(カイロにも使えます)、小川化工カイロ用ベンジン ホカ-ホカ、Zippoオイルの4種くらいしかないようです。
このうち、東工薬特製カイロ用ベンジンは、ほぼ間違いなく、ENEOS CS揮発油と同じものです。(実験編20を参照)においや刺激の元になる成分がかなり除去されていて、カイロ用にも適した性質になっています。15年前はこのメーカーのものは明らかににおいが強くて持ちが若干短かったのですが、だいぶ性質が変わったようです。CS揮発油は一部のENEOSガソスタ、燃料店でなら入手可能なようですが、18L単位での販売になります。
Zippoオイルはにおいが少ない、というか、石油っぽいにおいがあまりしないので愛用している人が多かったのですが、2023年に入った頃からむちゃくちゃ値上がりしていて、コンビニで小缶133mLが1023円税別とかすごい価格になってしまっておいそれとは買えなくなってしまいました。
奥田薬品は以前ははっきりカイロ用ベンジンと銘打った商品を出していたのですが、今は単に「ベンジン」で、小さくカイロ用にも使える旨が記されています。あまりカイロ用として売るつもりがないのかもしれません。性質を調べても、ちょっと揮発が早くて、においも少し多くなりそうに思います。ただ、他社製に比べるとちょっと安価なのがメリットです。
この中でサイト作者のおすすめ順は、金さえあればZippoオイル、普通に使うなら東工薬、安価で入手できるなら奥田ベンジンの順です。小川化工はおすすめしません。
小川化工をおすすめしない理由は実験編20,21に書きましたが、ロットによる品質差があまりにも大きすぎること、そして、その品質差は、家庭用のはかりが1個あれば簡単に見分けられる程度のものだということです。
具体的には比重が全く違っていて、揮発の仕方も全然違うロット品が流通しています。あまりにも比重が違いすぎて、はかりではかると25gも差が出るくらいです。
比重の重い物はボトル込みで415g程度あり、低い物は390gくらいしかありません。(写真では414gですが、もう1本、開封してしまったものは415gありました)燃料でこれだけ重量差があったら、そもそも発熱量も全く変わってくるはずですし、出荷前にどういう検品をしているのか、そもそも検品しているのか、そちらが心配になるレベルです。
比重が高い415gのものはカイロ用燃料に近い性質で、低い390gのものはホワイトガソリンに近い性質でした。使用してもカイロが痛むことはなさそうですが、低いものは持ちが短かったりにおいが強くなる可能性もあります。このメーカーのものを買うときは事前に重量をはかって、405g以上のものを選んだほうがよさそうです。
“その他カイロ用燃料” への2件のフィードバック
お寒うございます。
この冬、十数年ぶりに白金懐炉を再購入再デビュー。交換部品等探していてここを発見!!
楽しく拝見させていただきました。
近所のホームセンターでは東工薬のカイロ用ベンジン(500ml)とZippoオイルしかなく、前者を購入したのですが、ノズルの密閉性が低く、中蓋を外して室温10℃前後の部屋に置いていたら一日3~5mmのペースで「こぼしたっけ!?」というくらい減っていきます。かと言って毎回中蓋をするのも面倒なので、キャンプ用のアルミ製フュエルボトルに移そうと思っています。
それは間違いなく栓ができていません。サイト作者は東薬時代から使用していますがそんなに揮発しません。
ボトルの首のところの半透明のねじだけ締めていませんか?そこは栓ではありません。東工薬の栓はその上にある赤いレバーです。上の←M→という表示が注ぎ口を向けば開栓、90度回すと閉栓です。