ハクキンカイロ公式サイトによれば、1923年4月10日、創業者的場仁市がハクキン懐爐の製造販売を目的とした個人商店矢満登商會を創設。今年でちょうど100年です。
そんなわけで100周年にふさわしい話題、ということで、戦前の説明書の一部を持ってきました。さすがに100年前のものではありませんが、80年以上前のものです。
5番目の「一度求めて=永久使用」の文字。既にこの頃から永久使用をうたっていたことが分かります。現在のハクキンカイロ公式サイトの表記は「永久保証」になっちゃってますが、サイト作者的には創業直後くらいから使っていた永久使用という語のほうが好きです。
永久使用という言葉は、2003年くらいまでハクキンカイロ公式サイトで使われていました。
もちろん、この説明書がついていたハクキンカイロは、現行STANDARD火口をつければ今でも使えます。(ただし、調節しないとかなり過熱します)ベンジンカップも袋も現行のものが使えます。
水道の蛇口や電球ソケットのように、JISみたいな国家とかによる強制力のある規格ならまだしも、いち企業が独自に設計したものを100年近くの長期に渡って部品消耗品供給をし続けて、しかも当時ものがまだ使えるってのはやっぱりそれだけで偉大だと思います。
ハクキンカイロのおじさんマークも戦前からあるもので、企業や製品のマスコットキャラクターとしては最も古いもののひとつではないでしょうか。
ディズニーもハクキンと同じ1923年創業です。ミッキーマウスがデビューした1928年には既にハクキンおじさんはいましたので、あれはミッキーよりも古いキャラ、つまりハクキンカイロは看板キャラがディズニーよりも古いということになります。今ディズニーが限定で使っているDisney100のロゴを見るたびにそのことを思い出します。(変?)
というところで終わらないのが当サイトの宿命(?)なのか、実は、ハクキンカイロの創業は1923年ではないという史料が見つかってしまいました。
でも安心してください。1923年よりも古い時代だという史料です。
Established in 1921. という記述が、戦前の史料から出て来ました。別の場所には創業大正十年という日本語表記もあるので、誤植ではないと考えられます。
どうして2年ずれているのか。サイト作者が考えるに、これは創業者的場仁市氏がハクキンカイロの特許権を入手した年、あるいは、自宅脇にカイロ開発用の小さな研究所を建てた年なのではないかと考えます。
開発に3年かけたという逸話も、1921年から足かけ3年と考えるとだいたいつじつまが合います。
1923年というのは開発が成功し、本格的に商売を始めるために西区に事務所を構えた年とかと考えると合点がいきます。
こんなネタ、何で今までとっておいたんだと言われそうですが、実は見つけたのがほんの数日前なのです。創業100年の記念日のほんの数日前に見つかるって時点で、何か運命のようなものを感じて、もう作ってあった投稿にこうして書き加えた次第です。