さて、今回でマイコール資料館編、最終回です。今回はずばり、「マイコールにとって、ハクキンカイロはどんな相手だったのか」
そんなこと、マイコールの資料館に書いてあるわけないじゃないか!というと、あったのです。創業100周年を迎えて、というパネルから、該当部分です。
書き起こします。
カイロ灰の競合製品として、大正の末期に燃料がベンジンのカイロが出現しましたが、販売競争の相乗効果により、需要が大幅に増加し、昭和16年頃までには、カイロ灰製品の業者は栃木……
ちょっと長く続く文章なので途中で切りましたが、マイコールにとってハクキンカイロはよきライバルで、決して憎き商売敵ではなかったようです。
そのマイコールが、ハクキンカイロ創業100周年を待たずしてカイロ事業から全面撤退したことは、そして、恐らくハクキンカイロ関係者がこの展示を決して見ることがなかったことが、返す返すも残念でなりません。
第1回などで触れた銀次氏のブログによると、栃木県内でのカイロ灰原料の麻殻灰製造は2015年に最後まで製造していた人が廃業し、なくなったそうです。サイト作者が確認した限りの最後のカイロ灰販売業者は楠灰製造で、2013年に突然ホームページがつながらなくなり、そのまま市中から製品も見当たらなくなったので、時期的にはだいたい一致します。麻殻灰は花火材料としての需要もあったようなので、末期はそちらに卸していたのかもしれません。