そんなの真冬に決まってるだろ!と言われそうですが、当然ながら流通の世界ではもっと早くシーズンが始まります。小売店が問屋に注文を入れるのは、問屋が製造元に発注するのは、もっともっと早い時期だからです。
ハクキンカイロに関しては、シーズンの始まりは9月第1週くらいで、これは相当大昔から変わってないようです。価格改定のある年は、9月の発注から新価格になることが多いです。
もちろんその前の7月か8月に、「9月発注分から価格改定」というリリースがあることが、(最近は)多いです。
今年は7月25日に9月1日からの価格改定の発表がありましたが、正直言ってハクキンカイロSTANDARDが5280円とかいうのはもうほぼ趣味の世界のものになりつつあるのかなあと思うし、円が弱くなったんだなあとも思うし、でもむしろ輸出には好都合なのかもとも思いました。
大昔は8月中に発注した小売店や問屋には値引きしたり、本体や火口をオマケでつけたりといった特売をやってた時代もありました。そのほうがハクキンカイロのほうもある程度数の見当をつけて製造ラインを動かすことができるし、初期発注分の製造が済んでからシーズンになってから発注してきた問屋や小売店の発注分を製造できるので、長期間に渡って効率的に生産ラインを動かすことができたのだろうと思います。
特売がなくても今年のような価格改定が事前に発表されている年に関して言えば、たとえば8月中に発注をかけた小売店や問屋は旧価格で仕入れて売るときは新価格という芸当もできるわけです。ただし勘が外れて売れ残ると大損になるし、倉庫もその分スペースを空ける必要があります。その辺は商売人の腕次第になるでしょう。ハクキンカイロのような、製品やパッケージに変化がないと判断できて、使用期限的なものがない商品に関してはそういうことができます。物の値段が上がりつつあるとき、つまりインフレ傾向にあるときは物と金の動きが活発になるという経済の原則をそのまんま絵に描いたような状況です。
それにしてもいきなり900円の値上げってのはびっくりです。当サイト開始時(2003年)のハクキンカイロ3R(現在のSTANDARD)の定価は1848円だったので、あの頃のカイロ0.5個分の金額が一気に上がるというのはびっくりです。20年の時間が流れたんだなあとまた実感します。