寝床でハクキンカイロ


今回はサイトのほうとほぼ(?)同時公開ネタです。以前も当サイトのどこかで使ったネタですが、写真付きでの紹介は今回(2024年)が初めてです。

就寝時にハクキンカイロを使用すると、低温やけどをすることがあります。そのため、ハクキンカイロは就寝時には使用しないよう、説明書で注意をうながしています。
とはいっても、湯たんぽやあんかではあまり低温やけどをしません。人間は眠っているときに熱すぎるものに接触すると、本能的に蹴り出す習性があるので、これらの保温具は比較的安全なのです。けれど、ハクキンカイロは無意識に蹴り出すには小さすぎて蹴り出せないので、低温やけどをするのです。

だったら、大きくしてしまえばいい。というわけで、ハクキンカイロのほか、タオルと100円ショップ等で売っている巾着袋を用意します。

カイロに点火し、袋に入れたあとタオルで包みます。そして、巾着袋に入れます。

巾着袋のクチをしばってできあがり。これを寝床に入れると朝までぽかぽかで、低温やけどの心配もありません。

なお、乳幼児、高齢者、障害者などは蹴り出す力が弱く、このような対策をとっても低温やけどをすることがありますのでご注意ください。

キャンプなんかでこの方法は特に有効です。

被災地では1ヶ月半経った今でも、避難生活の人がいるそうですが、もしハクキンカイロがあれば(そんな都合よくハクキンカイロはなさそうな気もしますが)、この方法で暖まれるかなと思います。

そもそも巾着袋がない!という場合は、伝線したストッキングとか、ボロくなった長袖シャツの袖を縛るとかすればなんとかなりそうです。
タオルにぐるぐる巻きにして縛る方法もあります。ちょっと大きさが小さくなってしまって、蹴り出せるかちょっと心配ですが、サイト作者が実験したときにはうまくいきました。

そもそも、カイロはあってもカイロ用ベンジンがない場合もあるかと思います。ホワイトガソリンかZippoオイルがあればそれが使えるでしょう。薬局によってはリグロインを在庫しているところがあればそれも使えます。
また、当サイトでは絶対使うなと言ってるしみ抜きベンジンですが、入れれば一応、発熱はします。ただ、変にぬるかったり、早く反応が終わったり、低温でだらだらと長時間反応が続いたりして、あまり実用的ではありませんが、どうしてもという緊急時にやむを得ず自己責任で使う分にはかまわないでしょう。何か違う洗浄用成分とかが入っていなければ。
ただ、近年、「ベンジン」という名称で売られているものにはそういう洗浄成分は入っているものはないようです。もしあったらカイロ使用者の間で話題になってる気がします。

なおアルコール類の使用は、そんな極限状態であってもおすすめできません。とにかくむちゃくちゃにおいます。アルデヒドがー!みたいことを言う人がいますが、アルデヒド以前にアルコール臭がくさすぎて人間が使うには無理です。
実際使うと、最初のうちはにおうとは言っても少しくらいで、これは大丈夫そう、と思うのですが、そのまま発熱し続けて、タンクのアルコールが減り出すと、とたんに暴走が始まり、ものすごいアルコール臭を出しはじめます。ハクキンカイロのあの形とあの材質は、ベンジン用に作られていて、ほかの燃料では発熱量と燃料の蒸発量がコントロールできないのです。
フタの穴の量を調節すればいけるのかもしれませんが、そこまでの実験をする気はさすがにありません。

自動車用ガソリンも、緊急時であっても使用できません。自動車用ガソリンは、超簡単に言うと、ホワイトガソリンに自動車がうまく走れるよう、各種添加剤を加えたものです。この添加剤の中に、実在ガムという、揮発しない成分が含まれています。ということは、自動車用ガソリンを使うと、この実在ガムなどの揮発しない、あるいはしにくい成分がどんどん綿にたまっていって、最後、使えなくなります。触媒も、無理して添加剤を分解しようとしてヤニなどが発生しやすくなり、結果触媒の寿命も縮むと考えられます。

なので、自動車用ガソリンかアルコールしかなくて、ハクキンカイロを使わないと今日凍死するかもしれないくらいの極限状態でない限り、これらの使用はおすすめできません。もしどうしてもという場合の優先順位はエタノール(95%以上)、燃料用アルコール、自動車用ガソリンです。アルコール類はすべて揮発しますので、少なくとも綿や火口にはダメージはないはずです。また、前述したとおり、アルコール類は有害物質のアルデヒドが発生する可能性もあります。


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