カップや容器を選ぶ際、各社ベンジン容器のラベルにある素材名を参考にしました。ほとんどのものは「プラ」としか書いてないのですが、東工薬はキャップ:PP(ポリプロピレン) 中栓:PE(ポリエチレン) ボトル:PVC(ポリ塩化ビニル)とあり、エビスもボトルがPVC、中栓とキャップがPEでした。
サンプロテックのホームページに、 耐薬ゼミという、どの素材がどの薬品に耐性があるか調べられるページがあるのでこちらも参考にしました。これによると、ベンジンに耐性があるのはPP(ポリプロピレン)、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、塩化ビニル(軟質)、塩化ビニル(硬質)、ナイロン、ふっ素樹脂で、
PE(ポリエチレン)、シリコーンゴム、ABSは「影響あり」、アクリル、ポリカーボネイト、メチルペンテンは「多少影響あり」になっているのでご注意ください。
ポリエチレンが「影響あり」になっていますが、前述したとおり東工薬特製カイロ用ベンジンの中栓やエビスの中栓とキャップの素材はポリエチレンなので、そこまで問題が生じるとはあまり思えないのですが。
ベンジンカップの代替品としては、一例を挙げると、ペットボトルのふたふちきりでだいたい5ml,マンナンライフの蒟蒻畑のカップが22mlなどがあります。仕出し弁当などについている、小さな赤いフタ付きのソース入れ(タレビン)も使えます。容器の容量は、台所用計量スプーンに水を入れて容器に移して計ると分かります。
このほかのベンジンカップの代わりになるようなものを探してみました。
特に出先でいきなり燃料切れになってしまい、何とかZippoオイルは調達できたけれどベンジンカップは何ともならないみたいな状況でご利用ください。
たとえば100円ショップにある化粧水入れ。写真は化粧水入れ/2P 20mLという商品で、セリアやワッツやキャン・ドゥで売っています。このように容量が分かっている容器を使えば、この容器なら半分強入れればハクキンカイロのスタンダードモデル12時間分、12.5mLになるな、と分かります。
底面から3cmのところまででだいたい12.5mLでした。この容器は(以前紹介したダイソーの「化粧S-詰替容器-65」と違い)、ボトルのネックの下のところまでで20mLでした。
簡易容器としても使えますが、似たような使い方をして事故でも起きたのか、似たような容器の注意書きに、シンナー不可とか揮発性成分不可などと書かれることが多くなってきました。ので、使用は自己責任でどうぞ。特に、長期間燃料を入れたままにしたり、気温差が激しいところに置くと、液漏れや破裂の恐れがあります。
材質は本体:ポリエチレン、フタ:AS樹脂です。
ベンジンを入れるための容器で使用できるものが欲しい、という方にはこちらがおすすめです。
こちらは塗料店や模型店などで売っている塗料用のボトル(製品名は 保存容器 筆付きビン)です。
元々塗料などを小分けするための容器なので、数日間程度ならばベンジンを入れておいても大丈夫そうです。塗料を薄めるときに使用するシンナーは、ベンジンにさらに塗料がよく溶けるよう各種溶剤を混ぜたものなので、シンナーで薄めた塗料を入れても平気な容器に、ベンジンを入れて不具合が発生するとは考えにくいです。
筆は取り外すことができます。容量は30mL、50mL、100mLのものがあります。写真は30mLのものです。よく見えませんが容器には目盛りもついていますので、燃料をはかるのにもそのまま使えます。
素材はフタと刷毛がPP、ボトルがPEです。
写真のものはハンディ・クラウンのものですが、全く同一形状のものがインダストリーコーワと大塚刷毛製造からも発売されています。
ほかのものも探してみました。リポビタンDの容器です。
底面から1.5cmあたりが12.5mlです。ラベルの印刷だと、「(西暦年月)」のあたりです。(2023年現在)
ラベルの印刷は変更が多いので、底からの長さを測るようにしたほうがよいです。
明治プロビオヨーグルトR-1の容器だと、底面から1cmのところで約12.5mLでした。
材質はPETです。
長さのめやすとなるよう、HAKKIN換火口と定規を一緒に写した写真です。なお火口の厚みはおおよそ1.1cmです。
リポビタンDも明治プロビオヨーグルトも手に入らないという場合の最終手段です。500mLの角型ペットボトルのクチの部分を切って逆さにして使います。キャップをきっちりと閉め、首の高さぎりぎりくらいまで入れるとだいたい12.5mLです。底面からくびれまでが3cm程度のボトルなら、だいたいこの方法が使えるようです。
一般的なペットボトルのフタの高さはこの半分の約1.5cm程度ですので参考にしてください。
※2007年以降、技術革新により、ペットボトルの形状を大きく変化させることができるようになりました。個性的な形状のボトルが増えており、この方法が使えないものが多くある可能性があります。
この方法が使えたボトル(2023年現在)
ファミマル麦茶、綾鷹350mL
液面が若干首よりも上になるが使える ペプシゼロ600mL
※写真はペプシゼロ。ベンジンを使うと透明でよくわからないので麦茶を使っています。
なお、これらの容器は石油製品を入れるために作られたものではありませんので、長期間、ベンジンを入れたままにすると容器が腐食する可能性もあります。また、気温差が激しいところにおくと破裂の恐れもあります。
サイト作者はヤクルト容器なんかでも試してみましたが、容器が溶けちゃってだめでした。(ここで使用したボトルやキャップ、蒟蒻畑の容器はすぐには溶けませんでしたので、計量に使う程度なら平気だと思います)
数日間の山歩きなど、ベンジンを持ち歩きたいが、純正容器で持ち歩くには大きすぎるという場合があるかと思い一応紹介します。
なおこの方法はハクキンカイロ、燃料類、そして容器の製造販売会社が推奨するものではありませんので、使用は自己責任で行ってください。
ウコンの力、上記の100円ショップの容器、上記模型用の容器
これらの容器にカイロ用ベンジンを入れ、逆さ向きにおいて数日おきましたが、燃料が腐食して漏れてくることはありませんでした。逆さ向きにしたのは、フタの接合部のパッキン類が腐食するかを確かめるためです。なので、これらの容器は数日間、簡易的に持ち歩くには使えそうです。ただし、夏期になると、温度変化による内外圧差の関係で、内容物が漏れたり噴出したりする可能性がありますので、温度が高くなる環境には置かないようにし、必ず数日間のうちに使い切り、その後容器はフタを開けてよく乾かすようにしてください。