鑑定編その2

ここでは、横68mm、縦が約101mm前後のハクキンカイロのスタンダードモデルをさらにもう少々細かく見分けます。
ただし、特にモデルチェンジの間際では、旧パーツと新パーツの混ざった製品が出荷されたりしているので、完璧な鑑定は困難です。

写真 機種名
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見分け方 消耗パーツ
点火芯付A タンクのクチから写真(上)のような赤いヒモが出ています。
中古機ではヒモが引き抜かれていることもありますが、その場合は、クチにヒモをつける穴があいているかどうかで見分けます。写真(下)
ただし、後に発売された3R等で、全く同じパーツを使っている個体があるので完璧には見分けられません。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用
点火芯付A
または3R
点火芯付Aの末期モデルと、3R初期モデルは外見上はほとんど同じで、火口だけ違います。
最初についていた火口が点火芯付A火口なら、点火芯付A、
最初についていた火口が3R火口なら、3R。
しかはっきり見分ける方法がありません。
そのほか、フタに点火チェック用インジケーターがあるものは確実に3Rです。
もしこのタイプで黄色い袋がついていたら、その機種はポケット暖後期モデルですが、使用方法は3Rと同じです。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用
3R HAKUKINロゴのあるものはほぼ間違いなく3Rです。
(火口が取り替えられた3Rプラチナムという可能性もあります)
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用
PEACOCK#S,3RまたはハクキンカイロPEACOK 大きさが68×101mmで刻印が「PEACOCK」なのは基本的に海外輸出用PEACOCK#Sだったのですが、2005年10月以降、国内向け製品にもPEACOCKロゴが刻印されるようになりました。ので、両者を完全に識別するのは困難です。

もし、孔雀の羽が11本ならば、PEACOCK#Sのかなり古いモデルです。
孔雀の羽が11本のものは高温になる可能性があります。その場合、アルミテープなどで穴の一部をふさいで調節してください。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用

ハクキンカイロ(赤函) 図のように、タンク、フタともに継ぎ目があり、フタの上部の穴が互い違いについていて、フタに「ハクキン」のロゴが彫ってあります。
フタの孔雀の羽は11本です。
現行火口をつけると高温多消費になりますので、アルミテープで穴をいくらかふさぐとよいでしょう。
赤函・青函は、赤函のほうが張り合わせで製造工程を簡略化している廉価版というだけで使用方法等は同じです。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用

ハクキンカイロA(青函) 継ぎ目がなく、図のように、フタの上部の穴が縦に並んでついていて、フタに「ハクキン」のロゴが彫ってあります。
フタの孔雀の羽は11本です。
現行火口をつけると高温多消費になりますので、アルミテープで穴をいくらかふさぐとよいでしょう。
赤函・青函は、赤函のほうが張り合わせで製造工程を簡略化している廉価版というだけで使用方法等は同じです。
なお、「ハクキンカイロA」発売以前の一体成形モデルも、ハクキンカイロ社内では青函として扱われています。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用
PEACOCK#CW
(国内未発売)
大きさが68×101mm。中央にある大きな穴はシガレットホールです。ここにタバコをつけるとタバコの点火ができます。袋の形状が独特(手前が開く)です。現行火口をつけると高温多消費になりますので、アルミテープで穴をいくらかふさぐとよいでしょう。 HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用

ここまででほとんどのモデルの紹介は終わりですが、戦前・戦中・戦後モデル(1930年代〜1950年代)の一部について少しだけ紹介します。
この時代のものには、「ハクキン」ロゴがないか、あっても火口にしかありません。
その後の時代と同じように、張り合わせモデル(赤函相当品)と一体成型モデル(青函相当品)があります。終戦直後は国内向けは主に張り合わせモデル(最中型とも)、輸出向けは一体成型モデルと作り分けていたようです。
戦中型と終戦直後型は完全に見分けるのは困難のようです。これは、終戦直後は焼け残った金型を使ったり、焼け残ったパーツをかき集めて製品を作っていたためです。ハクキンカイロのサイトに載っている小判型のように、激しく特徴のある機種はすぐに戦前型だと分かりますが、それ以外は刻印の文字とかで個別に判断するしかありません。
なお、ハクキンカイロの本社は大阪大空襲で焼けてしまい、戦前モデルに関しては完全な記録が残っていません。送れば修理や適合火口を教えてくれるくらいのことはしてくれますが、いつのものか教えろとか言っても先方でもはっきり分からないものもあるようですのであんまり窓口の人をいじめないであげてください。

写真 機種名 見分け方 消耗パーツ
角形
(ステンレスモデル)
次の3つの特徴の1と2,または2と3に一致する場合、それはこの機種です。3つとも一致するものもあります。
(1)フタにSTAINLESS STEELの刻印がある(裏にパテントナンバー刻印があります)。
(2)フタ、タンクが磁石につく(火口はつきません)。
(3)孔雀の羽が9本で、貼り合わせモデル
かなり過熱するモデルです。フタの穴の一部をアルミテープでふさいで調整して使うとよいでしょう。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用
戦前・戦後張り合わせモデル フタの上部だけでなく、脇にも穴があります。穴は互い違いについています。フタにはパテントナンバー刻印があります。ブランド名刻印はないものが多いです。
穴が多いので、かなり高温になる可能性があります。フタの穴の一部をアルミテープでふさいで調整して使うとよいでしょう。
フタの孔雀の模様は、11本羽のもの(真鍮製)と、9本羽(ステンレス製)があります。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用
戦中・戦後一体成型モデル フタの脇にも穴がありますが、ほぼ一直線に並んでついています。フタにはパテントナンバー刻印があります。ブランド名刻印はないものが多いです。
穴が多いので、かなり高温になる可能性があります。フタの穴の一部をアルミテープでふさいで調整して使うとよいでしょう。
フタの孔雀の模様は、11本羽です。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用

ただし、フタの模様や刻印では完全に見分けられない場合があるのでご紹介します。

写真 機種名 特徴・見分け方 消耗パーツ
(海外向けOEMモデルの1つ) これは、アメリカの販売店向け専用に作られたモデルです。穴が孔雀模様になっていませんが、ハクキンカイロ製です。
海外向けにはこの製品のように、ハクキンカイロの名があまり前面に出てこないOEMモデルが複数あります。さらに、よく似た他社製互換機も数多くあります。
なお、販売店の刻印が全く同じなのに、ハクキンカイロ製でないモデルがあります。ご注意ください。

このように、特に海外で出回っている製品は、刻印やフタの模様があまりあてになりません。孔雀の模様がない、あるいはハクキンやPEACOCKロゴもないのにハクキンカイロ製というものがある一方、孔雀によく似た模様でハクキンカイロ製でないものもあります。下の製品をごらんください。

※この製品に限りませんが、ハクキンやPEACOCKのロゴ等のないOEMモデルの問い合わせは発売元にしてください。
HAKKIN換火口、
ハクキンカイロ用カップ STANDARD・mini用(2杯/24h)、
ハクキンカイロフリース袋 STANDARD専用
外国製互換機
(ハクキンカイロ製品ではありません)
ぱっと見、フタの穴は孔雀模様だし、なんだかハクキンカイロ製に見えますが、実は海外で製造された互換機です。
主に日本国外で出回っています。
では、真ん中に大きな穴があるのはハクキンカイロ製ではないのか、というとそうはなくて、海外向けDeluxeのように、フタの真ん中に大きな穴のあるハクキンカイロ純正品もありますので、それは見分けるポイントにはなりません。
また、この製品以外にも別によく似た互換機があります。
この製品は、「孔雀模様だからといって全部がハクキンカイロ製とは限らない」という例示のために掲載しました。



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